機密文書処理Q&A

宅配便のリスク対策

「荷物量を増やしたい」という宅配業者と「製紙原料が欲しい」という製紙工場のニーズが合致して誕生した、宅配業者が提供する機密文書のリサイクルサービスは、安さと 手軽さの反面、紛失事故も発生している。
このサービスを利用するにあたっては、まずリスクを正確に把握して、ユーザーが独自の対策を付加する必要がありそうだ。

紛失事故が繰り返される宅配業者による文書の輸送
回収BOX
2007年に起こった機密文書リサイクルサービスでの紛失事故は、同様のサービスを提供してきた業界関係者を震撼させたが、その対策については具体的改善事項の発表もないままに終結してしまった。その後もセキュリティ対策の強化を付加価値に、時流に乗った形でサービスを繰り出す宅配サービス業界だが、紛失事故は複数を数え、事故後の対策は教育、注意といった人的な対策に留まっているのが実情だ。

紛失した書類が個人情報であれば、こうしたサービスのユーザーは被害者であると同時に、数千件におよぶ個人情報の提供者に対する加害者の立場も背負うことになるだけに、サービスの実態を知らぬまま業者の言うスペックを鵜呑みにしたり、手軽さや価格だけでサービスを選択することは、大きなリスクを伴うことを認識しなければならないだろう。


「宅配 ダンボール 事故」のキーワード検索でわかる、様々な荷物との混載によるリスク
機密文書のリサイクルサービスは、我々が普段利用する宅配サービスの荷物と混載で
輸送されている。輸送中に起こり得る荷扱いによるトラブルの可能性もまた 通常の宅配サービスとなんら変わらないことは、どの業者を選択しようともリスクとして受容せねばならない。

ダンボール1枚がセキュリティ対策の生命線!?
機密文書のリサイクルサービスで輸送中にダンボールの破損が発生した場合、利用者と宅配業者のスタッフとの間には、その認識に大きなズレがあるようだ。

雨の日に宅配便が届いた時、梱包が濡れたり破れかけたりしていることは珍しくない。
通常の荷物であれば、梱包資材であるダンボール箱が破損しても、荷物に損傷が及ばなければ補償の対象とはならず、ユーザーも目を瞑ってしまうのだが、ダンボール箱自体が密閉容器としてセキュリティ対策の役割を担う機密文書処理では、僅かな裂け目でもそこから書類が漏れ落ちてしまう可能性があれば、事故として報告されるべき状況のはずだ。

こうした事態は決して起こり得ないことではないはずだが、箱ごと溶解されてしまうため、今のところユーザーには確認する術が無いというのが現実と言って良いだろう。

紛失、破損事故の発生率が高いのは配送センター
宅配サービスの経路で紛失や破損事故が最も発生しやすいのは、意外なことに車輌搬送中ではなく、ターミナルと呼ばれる巨大な配送センターだ。

ここでは極めてオートメーション化されたライン上で、膨大な荷物が自動で仕分けされているのだが、報告されている紛失事故の多くはここで発生し、構内は手作業で扱う荷物であっても、注意を怠れば5~10メートル近い高さから地面に落下させてしまう設備構造になっている。

ユーザーの想像を超える破損事故の実態
20kg近い書類が入ったダンボール箱が落下事故を起こした際に、如何なる事態が発生するかは、実際に起きた事故を見れば容易に想像することが可能だ。
カバー
(写真 左)宅配サービスを利用した機密文書処理で、配送センターで起こった落下事故により破損した、ダンボール箱を上回る強度のコンテナ。
(写真 右)コンテナへダンボール箱を格納させる、二重梱包でのサービスであったため、書類が入った箱自体の破損は免れ、封緘も維持されていた。


リスクを減らすにはユーザーによる独自の対策が不可欠
個人情報に限らず、機密情報に関する業務を委託する際は、委託側の責任として業者への監査や トレースの確保に取り組むのだが、文書処理、特に宅配サービスの利用となると、最終処分場すら確認することなく任せきりとなり、証明書1枚が唯一、安心の拠り所となっているケースが殆どだ。

わざわざ最終処分場に足を向けることが困難であっても、まずは複数業者のサービスを比較してリスクを掌握し、どこまでなら受容できるのかを検討してから、しかるべき追加対策に取り組まねば 一度事故が起こった際には、担当者の監督責任、強いては業者を採用した責任までも問われることになるだろう。

リスク低減の工夫

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